色のこと、お勉強
ただばくぜんと色について考えて、「こんな感じがいいかな」と試行錯誤を繰り返してみるのもいいかもしれませんが、人間の視覚はどうなっているか、どういう性質があるか、など基本的な所を押さえておけば、計画的に綺麗な色使いのサイトを構築することもできるはずです。
ここでは、そうした基礎的な知識を示していきたいと思っています。
●色の要因
照明、反射率
●かん体と錐体
そこそこ視力のいい人は夜空を見上げたとき肉眼で星雲を見ることができますが、ある事に気が付くと思います。
じーっと星雲を見つめようとしてもよく見えないのに、ちょっと視線をずらすとそこに星雲があるとはっきり分かる。見えるというよりも感じるといった方がより的確な表現だと思われます。
これなどは暗闇の中でも光を敏感に感じ取るかん体のおかげ。
●色違い、ディスプレイ毎に
CRTが幾つも並んで同じデモをしている。または並んだテレビが同じチャンネルを映しているという場面には電気屋さんや百貨店などでよくお目にかかれるでしょう。でも、機種によって色が
●色の名前について
●Webブラウザによって色の出し方が微妙に違う!?
●コントラストと色相
●光源が違えば見え方も違う
ちょっと面白い話を聞いたことがあります。
ヨーロッパと日本での色の見え方が違うので、輸出でトラブルが起きた
●ディスプレイとプリンタの色が違う
カラーコピーシステムとソフトプルーフについて
ディスプレイの画像をプリンタに出したら色が変になってしまった
2000年秋にEPSONが「これまでに出ない色が出せるようになった」とさかんに宣伝していますが、これはCMYKで出し切れなかった色を、色を増やすことで補おうというものです。LC,LM,DY
●黒地に青色、白地に黄色が見えにくい訳
錐体、かん体の働き…だから見えにくい。
こんなホームページを見かけたことはありませんか?
Webを見て回っていると、背景が黒で文字が白、しかしリンクは青色のままという少し見づらいサイトにめぐり合う事があります。
Webサイトを作る際には、バックを黒にする時、普通の文字だけでなくリンクの文字も白っぽい色に変えるなど工夫が必要ですよ。
●背景に埋もれる色
色の濃さ、模様などと文字の大きさの関係
模様については脳の働きも
●色使いの調和
●
じっと見つめていて、他のところに目を移すと短時間逆の色が見える事がある。
●色弱・色覚異常への対応
どのように見えるのか、どうすればいいか
日本人の場合、男性の20人に一人は色覚に問題がある。身近にはそんな人はいないよ、と思っていても
背景が緑で文字が赤というサイトがあったそうで、そこに文字が書かれているという事すらわからなかったそうです。
赤と緑が一番有名ですが、では他には見づらい組み合わせはないのか?
オレンジと黄緑、水色とピンク色
あなたにはちゃんと見えていても、ひょっとすると見えない人もいるかもしれないんだ、という事は心の隅に留めておいて欲しいと思います。
●LED信号機
●白内障
年を取ってくると
視野内が黄色っぽく
●ついでに緑内障
●ブリンク(ちかちかと文字が現れたり消えたりする)が嫌われる訳
フラッシングと呼ばれることもありますが…。
●赤と青のフラッシュ
ポケットモンスターで有名になりましたが、赤と青の光を短時間に交互に見せると、脳に何らかの影響を与えるという事が分かったのですが、ではどのような条件が悪いのかと言われるとこれが全くといっていいほど分かっていないというのが現状でしょう。
木漏れ日のちらちらでもてんかん症状を起こしたという話もあるそうですし。では赤・青が赤・緑だとどうなるのか、青・緑や白・黒でも起こるのか。
もう忘れている人も多いと思いますが、スーパーマリオのレンガ壁模様の繰り返しを見ていててんかん症状を起こしたという例がアメリカであったようですし、
パターン認識の問題と切り離す必要があるのかもしれませんが。
まぁWebの世界で訴えられる事のないように、過激なフラッシュ画像などは使わないに限りますね。
●狭い領域と広い領域では色の見え方が違ってくる。
小さな領域と大きな領域では色の判別方法が違ってきます。小さな領域だと色の違いが分かりにくいですが、ビルや家のカベや塀など広い領域では、ごく微妙な色の違いが分かってしまう。
小さなバナーでは色彩にメリハリつけて、背景などはおとなしめに…というのがいいんじゃないでしょうか。
この性質を規定化して2°視野、10°視野と言ったりします。
例えば、
例えば長い塀だとかビルの壁面など広い面積が一色で塗られている場合、ちょっとした色の変動も見抜いてしまう。
だからペンキ塗りの職人はすばらしい仕事をせざるを得なくなる。
ディスプレイに当てはめてみると…
だから、Webで文字の色を変えようという場合は、はっきりとした色使いにするべきだし
●虹色
虹色は7色だとよく言われますが、全部言えますか?とりあえず6色は分かるでしょうけれど。
「赤色」
「橙色」
「黄色」
「緑色」
「青色」
「紫色」
さて、残りの1色は何色でしょうか。
白や黒でもないし、黄緑とか赤紫という中間的な名前でもない。で、私も悩んだクチですがWebで調べたらありました。
答えはこちら。下の「」の中をマウスカーソルで左クリックしたままこすると(^^; 答えが出てきます。
「藍色(あいいろ)」
●後退色
重い:黒、赤、紫
軽い:白、黄、緑
●補色関係
服を選ぶとき、上下で補色となるような選び方をするとちぐはぐな印象を受けます。目も疲れます。
補色がいいという場合でも、ワンポイントに留めるようにした方が良いでしょう。
●同じ系統の色
でまとめると上品に見える
●色についての資格
AFT
カラーコーディネーター(商工会議所)
●反射色
反射色はどう表わせるか、どう測定するかという点が今問題になっています。
反射する角度によって微妙に色具合が変わる
CCMと呼ばれる分野です。
よく知られているものでは、真珠の色。これは判定するのが大変難しいそうです。
真珠はいくつもの層で出来ているため、外から入った光は各層で反射されますがその層1つ1つの色が微妙に異なっていて、それらの反射光全てが合わさって私達の目に入って「真珠色」と称されるわけで…測定も難しいし、コンピュータグラフィックでリアルに再現するのも難しい。
まぁ最近ではシミュレーションでこんな風にモデル化してみましたという論文も出てきているようですが。興味のある方はそうした研究の方もご覧下さい。
●時間を感じさせる色
郷愁を懐かせる色としてセピア色が使われる事が多いですね。
これは古い白黒写真の用紙(?)が年を経るにしたがって全体的に黄ばんできた様子が我々の意識の中に植え付けられ、この色は古さの象徴だという感覚が刷り込まれた結果でしょうか。
これがまた測色の場合にも問題になりまして…
測色のためにカラーチャートという専門の用紙を使うんですが、この用紙も立派に黄ばみます。カラーの部分の色もあせてきます。う〜ん、一体何を基準にすればいいのでしょうか。
Webで過去、現在、未来を表わす場合、それぞれに合った背景の色づけをするなど工夫すれば、Webを見ている人の感情移入も誘えるかもしれませんね。
●目も休めましょう
数年前、さかんにドライアイという言葉が使われていましたが(既に死語)、
たまには目を休めましょう。ディスプレイばかり見つめていないで。
ディスプレイは印刷物などと違ってそれ自体が発光していますから、目への負担も違ってきます。
●注意を引く色
注意を引く色の組み合わせを知りたいなら、まずは道路標識や工事現場の注意書きなどをながめてみるといいでしょう。
●色温度
たぶん今、あなたはモニタを見つめていますね。モニタの設定をしようとすると色温度が9500K(ケルビン)とか6000Kとか表示されると思いますが、これってどういう単位なんでしょう。
大体、温度を測っているんわけでもあるまいに、どうして光の具合を温度で表わしたりするんでしょうか。
これは黒体放射といって
夜空を見上げると星が光っていますが(曇っているとか、都会で見えないとかいうツッコミは勘弁)、星を見ていると結構違った色を放っているものです。
有名どころでは、夏の南空で輝くさそり座のアンタレス、冬はオリオン座のベテルギウスが赤い光を放っています。
逆にオリオン座のリゲルやおおいぬ座のシリウスなどは青白っぽく光っていますね。
これは星の表面温度が違うのでそれが色となって現れているわけです。
ちなみに星の温度については(2000年現在)
アンタレス K
ベテルギウス K
リゲル K
シリウス K
北極星 K
太陽 K
と言われています。
●近年の夜空
散乱光の影響って意外に大きい事に気付きましたか?
ちなみに、今の夜空は50年前(?)の夜空と比較して数十倍も明るくなっていると言われています。もちろん町の灯りが空に反射してという事もありますが、全く意外な所から散乱光がやって来ています。それは…地球の周回軌道を回っている人工衛星や打ち上げ後に切り離された部品などのゴミです。月の無い夜は足元も全く見えないというほどの暗い夜はもう戻ってこないのかもしれませんね。
色について勉強を始めるときりがありません。下手に突っ込めば、太陽の輝くプロセスから人工光源の特性、人間の脳の仕組みまで調べなければならなくなるほど、とんでもなく広い分野にまたがった学問なのですから。
でも、まぁそんな事を勉強するのが私達の目的じゃありません。
私達(特にWebmaster)に関係のある事と言えば、「どうすれば綺麗で見栄えが良く、見易いサイトを作れるか」という事に尽きると思います。
ここではそういった点を中心に(しばしば脱線しますが)見ていきたいと思います。
人の目は赤よりも緑、緑よりも青が見づらく感じます。
ホームページをカラーでプリントアウトしたら「あれ?色が全然違う…」。よくある話です。ウソだと思ったら、青空と人の顔が写っているような画像をプリントしてごらんなさい。青色、画像と同じような色がちゃんと出ていますか?肌の色はどうですか。
最近では(2000.秋)、「出なかった色が出る」と称したプリンタも出てきたようですが…
色の違いがなぜ出るか。それは表示するデバイスによって色域が全然違うからなんです。
CRTではこの色が出ない、一方プリンタでも出ない色がある。色を出せる範囲:色域が限られていて、その限界の位置がデバイスごとに違うのですから、まぁ仕方ありません。
となればどう対処するか。
いかに人の目にそれらしく見せられるか、という問題なのです。
人が好む色というものは統計的に調べられているようで、
だと
だそうです。
Webの背景やグラフィックなども一般受けし易い色を選んだ方が無難でいいかもしれません。
店先にCRTが幾つも並んで同じデモをしている。または並んだテレビが同じチャンネルを映しているのを見たことがあるでしょう。その時注意深く見れば機種によって色合いが全然違うのに気付くと思います。
CRTの種類によってそれぞれ出る色が変わってきます。
「それじゃこちらで**色だと思っていても、相手は違う色に見えているのかもしれない?」
正解です。
Webショッピングなどで、CRTで見た色と届いた品物の色が違うというトラブルは結構ひんぱんに起こる話だと思います。デジカメやフィルムスキャナで取りこんだ写真の色と、Webに貼られた写真の色(CRT上)ではずいぶん違って見えるものですから。
10年ほど前に知り合いから聞いたちょっと面白い話があります。事の真偽は確かではないのですが、ヨーロッパのある国の会社に納めるため、指定された色で布地を作り、こちらでの色検査でもOKが出たサンプルを相手に送ったところ、「指定した色と違う」というクレームがついたそうです。
どうも太陽光が微妙に影響しているそうで(緯度が高く大気で光がより散乱する?)、見え方が変わってくるとか。
光源を変えるというのはスーパーなどでよく用いられる手です。肉を新鮮に見せるために売り場の光源を*色っぽく変更するとか。