News 011〜020


NEWS_011: ペットロボット選手権

(記:1999.01.27)

 雑煮(ZONY)社は、一般人向けペットロボット競技大会を2001年夏に開催すると発表した。
 これは雑煮社が2000年冬に発売したペットロボットの飼い主(ユーザー)間の交流を目的とするイベント。各自の技術を持ち寄るため複数の競技が行われ、飼い主はその技術を己のペットロボットに託して競い合わせる。

 競技は当初4部門のみとし、それぞれの分野で性能や芸術性を競う。なお、参加できる競技は一人につき1部門のみとなっている(競技は各部門、別会場で平行して行われるため)。

1)対戦競技
・市販・自作パーツ使用可。
・特設リング内で5分勝負。相手の背中が地面に10秒以上着くか、相手をリング外へ押し出す事ができれば勝ち。リングを損傷させた場合はその時点で負けと見なされる。

2)障害物競走
・市販・自作パーツ使用可。
・全長10mの障害物競走。コース特性や障害等は開催1ヶ月前に初めて公開される。

3)仕草
・購入時の基本パーツおよび雑煮社の拡張パーツのみ使用可。その他の装飾やペイントは一切禁止。仕草のプログラムのみで争われる。
・この競技の判定はインターネット投票による。

4)装飾
・自作の装飾を施して見た目を競う。ロボットは静止していなければならないが、その姿勢(ポーズ)は自由に設定できる。
・この競技の判定もインターネット投票による。

 競技は地区毎にブロックに分られ、各ブロック・各部門でまず予選大会が行われる。これを勝ち抜いた、各ブロック毎に16チーム(4部門それぞれ上位4チーム)が全国大会にコマを進めることになる。
 なお、会場では地方大会での熱闘ぶりや次点となったロボット達の紹介などビデオ上演が行われる他、会場限定発売の特殊パーツ即売会も開催される予定。

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雑煮(ZONY)社はこの選手権についてこう述べている。

「これまでにも自作ロボットによる大会は数多く開催されてきたが、
・ロボットの工作
・製作材料の吟味
・制御プログラム製作
など参加のためのハードルが高すぎるため、少しばかり興味を持った人が気軽に参加できるといった性格のものではなかった。それが、
・すでにロボットの基本材料がある
・後は簡単なプログラムだけでよい
・様々な部門があるので得意分野が選べる
と、一般ユーザーが参加できる所まで環境が整ったので、各自の技能向上と相互交流のため開催に踏み切った」

 こうしたコメントに対し、この大会を意識しているという猫社(NECO)は、
「規格が初めから決められているのでは面白くない。似たような形のロボットがどんぐりの背比べをするだけの大会になってしまうのではないか」
と感想を述べた。

 これに対して雑煮社は、
「買ってきて一週間遊んでみれば、動きをプログラムするだけでも意外に奥が深いことが分かる。また、体を構成するパーツは自由に取り換えがきき、その気になれば自作も可能だ。我々は全くコンセプトが違うロボット同士の競争も面白いと思っているし、これを否定するつもりもない。ただ、誰でも参加できるようにするためには、ロボットのコアの部分を提供するなど一般の人が気軽に参入できるよう障壁を低くしておく必要があるのだ」
とコメントしており、ロボット競技に関わる姿勢の違いを明らかにしている。


ペットロボットなどのリンク(参照):
SONY ON LINE
AIBO(SONY)
ASCII24
ロボリンピック
ロボット相撲全国大会
ロボコンマガジン
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NEWS_012: メモプリントテレビ

(記:1999.02.03)

 ビックリ玉手箱社は本体にビデオプリンタを内蔵したテレビを発売する。

 これは、見ている番組を(画像のみ)5分程度過去の映像までメモリに蓄えておき(オプションのメモリ増設により1時間まで記録可能)、ビデオを逆回しする感覚でプリントしたい画像を呼び出して、はがきサイズの専用用紙に画面映像をプリントすることができるというもの。

 これにより「懸賞の応募先」「料理番組のレシピ」「番組で紹介されたお店の地図」など画面に現れる情報をメモ代わりにプリントでき、

・メモが近くになくて、残念ながらその情報をあきらめた
・地図が複雑なのでメモをとる気にもならない
・次から次へと情報が出て、メモし切れない
・写真に取っておきたいような絵・場面があった

等々、従来なら失われていたはずの情報を手軽に残すことが可能となった。

 また、テレビ番組を撮っておきたくなったが、ビデオを急に使うことができないという人のため、メモリに記録した画像・音声(音声記録ユニットはオプション)を外付けのビデオデッキへ送出しビデオ録画するような使い方も可能となっている。

 テレビのワンショットを手軽にメモ・プリントしておきたいというニーズはかなり多いと予想され、この機種は急激に普及していくと見られている。ただ、現在はインクリボンと専用の用紙が割高であるため、ランニングコストの削減が今後の課題とされている。

★☆★☆★☆★☆★☆★ 実現!? ★☆★☆★☆★☆★☆★
報告(2000.04.14)
「メモリースティック」対応15型液晶カラーテレビ発売
 ソニーがメモリーに静止画を記録できる液晶テレビを発売しました。出力形態はビデオプリンタではないものの上記の要望を叶えられるという点で見れば「実現した」としてもいいんじゃないかと思います。これ、スライドショー再生と言ってメモり内の画像を一定時間おきに切り替えて表示することもできるし(壁にかけて画像鑑賞としゃれこめる)、PC用のモニタとして使用することもできるようだし…うう、むしょうに欲しくなってきたぞ。

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NEWS_013: 「2000年問題時計」問題

(記:1999.04.06)

 6月10日、「2000年クラッシュ」のイベント中に起きたボヤについて波紋が広がっている。

 このイベントは時の記念日にあたる6月10日、2000年問題に対する一般の意識を高めるため通産省が開催したもの。様々な機器を会場に集めてこれらを一斉に誤動作させ「きちんと対策を立てないとこんなに大変なことになりますよ」とアピールする催しとなる予定だった。

 会場には2000年問題を起こすと判明している機器やシステムが並べられ、「2000年問題時計」という、設置当時にちょっとした話題になった時計も12月31日(プラス12時間後)にセットされて正午からのイベントに備えていた。

 そもそも、これは2000年までの時間(日数)をカウントするという目的で通産省が設置したものであったが、イベントに合わせて時刻が1999年12月31日にセットされていた。

 正午が過ぎ、会場のあちこちでは1900年の日付けがついた商品を吐き出す製造ラインやフリーズしたPC、時計がリセットされた家電製品など、各機器が順調に(?)誤動作を始めていた。そうした状態の中、客の一部が2000年問題時計の表示部分の異様な明るさに気づいて騒ぎ始めたところ、さらに時計の基部から煙が出始めたため会場は一時騒然となった(幸い、けが人は出なかった)。
 このボヤの原因は時刻表示の電球を制御するチップと見られている。このチップも2000年問題を抱えていたらしく、誤って出された制御信号のため表示回路の一部に過電流が流れその部分が加熱発火したらしい。

 事故当日、通産省は「この時計は故意に誤動作するように製作させていた。ただ火災の起きる事は予想しておらず、その点は申し訳なく思っている。お客様には大変ご迷惑をおかけしたが、誤動作の真の恐ろしさを体験できたと思う」とコメントしていた。この無責任なコメントには反発の声が上がり、通産省もすぐにお詫びの会見を開いている。

 一方、イベントでの司会者のあまりのうろたえぶりと非常口への誘導のまずさから、会場の責任者すらその事実を知らされてなかったのではないかという疑惑も持ちあがっており、警察が調査を始めていた。
 その調査の結果、舞台製作責任者や司会者にも事前にそのような説明がなされていなかった事実が判明し、監督責任を追求されるに至って、通産省側が時計に問題があるという事実すら把握していなかった事も明らかとなった。つまり事故当日のコメントが嘘であった事が事実確認により暴露された格好となっている。

 この「2000年問題時計」そのものが2000年問題を抱え込んでおり、それを嘘で隠していたという一連のお粗末な事件に対して、イベントに参加した企業からさえ「この有り様だから、日本の2000年対策の現状も推して知るべしといったところでしょう」とあきらめに近い意見が出されていた。

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NEWS_014: リンク切れ検出サーバソフト

(記:1999.05.13)

 リンク切れを自動で検知してホームページを修復し、同時にWebMasterにメールで報告するWebメンテナンスソフト「シナプス」が開発された。同製品はフリーウェアのWebサーバソフトである 「パパラッチ」に対応する。

 同製品をパパラッチサーバにインストールした後、ホームページのHTML文に実行命令を付け加えると自動更新機能が働き、リンク切れの自動修復が可能となる。ソフトはサーバ本体の負荷が小さい時間帯にサーバ内ホームページのリンク切れチェックを行い、引越し表示のあるものについては引越し先のURLを取り込む。リンクが切れたものについてはサーチエンジンを利用して一定期間探索を行い、1週間経っても発見できないものについてはリンク切れ表記を行なう。

 Web内容の更新には意外に手間がかかるため、専任のWebMasterを置けない企業などではリンク切れが多発するようになってきたが、今回のソフトを導入すれば工数減少や訪問者のイメージダウンの回避などメリットは大きいとされる。

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NEWS_015: 1999年秋以降、物価急上昇

(記:1999.05.23)

 今秋の終わり頃から物価は急上昇を始め、その勢いは止まる気配すら見られない。

 この物価上昇の原因は2000年問題への不安からきている。各省庁は2000年問題の対応を今年の夏、遅くとも秋までには完了させると発表していたが、この秋、その対応がほとんど全て数ヶ月単位で遅れていることが明らかとなった。
 また、わが国では各種資源や食料の大部分を発展途上国からの輸入に頼っているため、それらの国の混乱が直接波及してくることになるが、そうした問題は全くといっていいほど政府の対策案には盛り込まれていない。さらに輸送手段としての船舶は制御システムの塊であるというのに、それらへの対策もほとんど実施されていないことから、2000年に入って少なくとも半年は輸出入が絶望的になるとの見方も出始めている。

 こうした話題をマスコミが一斉に取り上げたため消費者は自衛手段として買いだめに走り、品不足と物価上昇を招いている。さらに一部では買占めも行なわれているようで、70年代のオイルショックを彷彿とさせる状況になってきた。
 政府は依然として「きちんと対応しているので大丈夫」と繰り返しているが、その大丈夫であるという根拠は全く示されておらず、庶民の不安は払拭されるどころかさらにかきたてられており、一部では倉庫が襲われるなど事態はより深刻な方向へと向かっている。


★☆★☆★☆★☆★☆★ 大ハズレ ★☆★☆★☆★☆★☆★

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NEWS_016: 耳鳴り検診システム

(記:1999.07.10)

 株式会社OFUROは、耳鼻科向けの医療支援システムを開発した。

 これはPCとスピーカーおよびジョイスティック型コントローラーからなるシステムで、耳鳴りと似た周波数を発生することができ、患者自身が自分の耳鳴りと同じタイプの音を探すというもの。操作は簡単で、どんな患者でもすぐに扱えるようになっているため、待合室で待っている時間を利用して自分の耳鳴りデータを突き止め、診察時にそのデータを医者に報告することができる。
 従来、どんな種類の耳鳴りがしているのか言葉では医者に伝えにくく、これが誤診を招くケースも少なからずあったという話であるが、今後はこのシステムを普及させることにより誤診も減らせるであろうと期待される。

 この装置の発表の場で、「耳鳴りがひどいと外の音が聞こえず、このシステムは意味をなさないのではないか」という疑問も出されたが、どんなにひどい耳鳴りがしていても外の音は入ってくるため音の比較は意外なほど容易であると回答が出されており、実用上問題はないそうである。

 将来は、耳鳴りの種類と病気の経過などの相関関係の統計を取ることで、病気悪化の予防措置をとることも可能になるかもしれないと関係者は話している。

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NEWS_017: 人体発電装置

(記:1999.08.02)

 瓜畑秘密研究所(*1)では、近年のモバイル機器増加に対処するため人体発電の実用化を進めている。

 これは人体の運動量の一部を利用するシステムで、体の内外に装置を設置して発電を行なう。ただし発電という特性のため、設置部位としては瞬間的な運動量を発生する場所でなく、継続して運動が行なわれる部位が好ましいと考えられる。候補としては以下の4箇所が検討されてきた。

1)血流発電
 血管内壁に発電所を組込み血流で発電機の歯車を回転させて発電を行なう、体内水力発電。拒否反応が起こらないよう、発電設備の素材には本人の体の一部が用いられる。具体的には骨の一部を削り出して作られる。
 ただし、人体素材の摘出や埋め込み時のナノマシン手術(*1)が被験者にとって大きな負担となる事や、実験中にコレステロールや石灰成分等の沈着が予想以上のペースで進むことが判明したため、実用化はまだ無理というのが一般の見解となっている。

2)まばたき発電
 エネルギーとしてはあまり大きくないが、人が一日にまばたきする回数は数万回にも及ぶため、ちりも積もれば・・・という発想から考案された手法。まぶたの筋肉の収縮運動から電気を取り出そうというものである。
 ただし「まばたきの度に引きつるような感じが残って、しばらくするとまぶたが重くなって眠ってしまう」「ドライアイの症状が悪化した」など、日常生活に支障をきたす例が数件報告されている。

3)鼻息風力発電
 鼻腔内に風車を設置し、呼吸による空気の流れで風車を回転させ発電しようというもの。
 ただし、実験段階で風車が最適設計されていない事もあって「風切り音がピーピーうるさい」「風車がくしゃみによる高速回転に耐え切れない」「鼻水で風車が止まる」など苦情も多いようである。

4)貧乏ゆすり発電
 ひざの上部にバンドを設置し、その中に仕込まれている発電装置で上下の運動量を電気に変える。貧乏ゆすりは本人が特に意識しなくても大きな運動量が得られ、しかも苦痛を伴うことがないため現時点では最も有望視されている。
 ただし、当然のことながら貧乏ゆすりの癖を持っていない人は利用できない。そこで「貧乏ゆすり賞賛の会」を結成し、貧乏ゆすりを広めようという動きも出ている。

 最初の3件は生理現象に関わってくる点に問題があったが、4)の発電方法では人体に苦痛・負担を負わせることもなく、無意識に行なわれている行為に乗じてエネルギーを得るすぐれた発電方法として今後の開発が期待されている。


(*1)出典:機動戦艦ナデシコ

★☆★☆★☆★☆★☆★ 実現!! ★☆★☆★☆★☆★☆★
報告(1999.10.23)
インターコネクト、携帯電話充電用の小型発電機「ステップチャージャー」発売
 ケーブルを携帯電話に接続し、ペダルを踏むと充電できる。貧乏ゆすりで発電できるわけだ。しかし、本当に貧乏ゆすりを使ってくるとは…(^^;

報告(2000.09.13)
 日本工業新聞(2000.09.08)によると、埼玉循環器センター・早稲田大学・テルモの研究グループは心臓の鼓動による振動を利用して発電する機構を開発し、模擬実験に成功したそうである。「心臓ペースメーカーの電源」を目指しているそうだ。うぅむ、直接心臓を利用するときたか…。すごいの一言。

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NEWS_018: 「あの曲」検索システム

(記:1999.08.02)

 雑煮社(ZONY)は、鼻歌で曲を選出できるシステムを開発したと発表した。

 曲名やアーティスト・歌手の名前が思い出せないが歌の大体のメロディーは分かっているという状態、つまり「あの曲が聴きたいけれど、メロディーしか分からない」という場合にマイクに向かって鼻歌を歌えばそれを音階データとして分析し、曲を検索することができる。覚え間違いがある場合や、歌い手が音痴である場合、またサビの部分しか知らないという場合にも検索は可能だという。

 現時点では直接の検索成功率は65%程度であるものの、その検索時に同時に提示される10ほどの候補曲の中に正解のある確率は95%を超えており、実用化に目処が立ったとしている。
 なお、鼻歌でどうしても認識されない場合には楽譜エディタで大体のメロディーを書いたり、画面上のキー(鍵盤)を押して音をとり、そのデータでの検索ができるようになっている。

 雑煮社はこのソフトをまず自社の音楽通販Webページに設置して訪問者に利用してもらい、その反応をみることにしている。また、東京・大阪・名古屋のCD販売店(各10店舗ほど)に試験的にこのシステムを設置してもらい、騒音・雑音の激しい場所でのデータを集めて認識率向上に役立てたいとしている。

 今後は、間違って選択された曲を聴いてそのメロディーの影響により鼻歌が変わる、つまり再入力した時にデータが悪化して誤検索してしまうという問題にどう対処できるかが課題とされている。


★☆★☆★☆★☆★☆★ 実現!! ★☆★☆★☆★☆★☆★
ホラ猫B談:
 このタイトルを予告したのが7/10。ずっと後で知ったのだが、7/14の日刊工業新聞には「鼻歌ミュージシャン(メディア・ナビゲーション社)」の記事があったようだ。これは鼻歌で作曲できるというもの。何だかコンセプト的に今回のホラニュースと似ているような…皆、同じような事を考えるってことか。
 んー、今回の検索システム、どこかで絶対に実用化して欲しいんだけどなぁ…。

ホラ猫B談(追記2000.10.31):
 読売ONLINEによれば、”国内外の企業など二十社・団体で作る「技術研究組合新情報処理開発機構」(本部・東京都千代田区)が、メロディーの一部分を鼻歌で口ずさめば目的の曲を探し出してくれるソフトを開発した”そうで。実現すればいいとは思っていたが、意外に早く開発されましたなぁ…。

ホラ猫B談(追記2001.01.08):
 本日のワールドビジネスサテライト(夜11時)で紹介されていたが、カラオケの検索システムで実現されているようである。「タタタ」という言葉で電話口に向かってメロディーを歌うと、その曲を検索してくれるシステムだそうだ。これって完全に「実現」と言ってもいいよね。後はこうしたシステムが一般家庭でも利用できるようになってほしい…のだが。

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NEWS_019: 新規格ワープロ「Bird2002」

(記:1999.09.01)

 マイクソソフトは、ホームページやPDFファイル、百太郎などのワープロから自由に文章を引き出して、その一部をそのままの見栄えで取りこむことができる新規格のワープロを開発し、現在ベータテスト中である。

 このワープロの名前は、鳥のようにあちらこちらのソフトを自由に飛び回り、必要なものをつまんで来ることができるというイメージをユーザーに持って欲しいという意味で「Bird」と付けられたという。
 しかし、ベータテスターの間ではそのソフトの肥大化・不安定性も指摘されており、評判も今一つといった様子である。

「Birdといえば軽やかなイメージがあるがとんでもない。高速なPCを使ってもそのソフトの起動に1分以上かかるし、領域の切り貼りだけでもコーヒーが飲めるほどの時間がかかるため、現状ではとても使い物にはならない。まあ不安定なのでよく飛ぶからBirdというのなら、確かにこれ以上ぴったりの名前もないだろう」

と、辛らつなコメントを発する人も多い。


ホラ猫B談:
 変な機能を付けられてどんどん不安定になるより、機能はそのまんまでいいからバグを取って安定してくれるほうがどれだけマシだか。

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NEWS_020: 細胞保存ビジネス

(記:1999.10.03)

 最近、成人の細胞を使ってクローンを作るという研究が進んでいる。動物実験ではクローン山羊「ドリャー」が有名であるが、近年の研究ではクローンの細胞核内の寿命遺伝子を調べたところ、移植された時点での長さしか持たないという事が判明している。これは、クローンが作られたとしても本人とほぼ同じ時期に寿命が尽きるという事を示している。

 そこで次の段階として、成人の細胞でなく赤ん坊の頃の細胞を使ってクローンを作るとどうなるか、という実験が始められている。もっとも、これは確認のためだけの実験と見られている。というのも、赤ん坊の細胞であればその分寿命遺伝子は初期の状態にあり、クローンがその長い遺伝情報をそのまま有することは明白だからである。

 なお、こうした実験の成功を見越して「赤ん坊の細胞を一部冷凍保存する」というビジネスが立ちあがり始めている。
 これは、若く遺伝子的にほとんど傷のない状態で細胞を保存しておき、本人が成長した後頃合を見てクローンを作るというもの。現在、クローン人間を製造することは世界的に認められていないが、20年も経過すればどのように情勢が変わるかは分からない。あるいは認められるかもしれない。そうした見込みの下、「セルゲッチュー社」では「若い細胞を研究目的のために保存する」という名目で細胞保存の希望者を募り始めている。

 この会社では、将来クローンを作ることが認められるだろうと仮定しており、「クローンを作って赤ん坊の状態まで育成した後、本人に引き渡す」としている。ただし、その後のクローン人間の「処方」については社内でもまだビジョンは示されておらず、「本人に一任する」としている。

 しかし、最悪の場合、クローンは臓器など利用価値の高い「物」として扱われることも考えられる。例えば本人が40歳になった頃にクローンを育て始めれば60〜70歳頃の臓器の弱りかけた頃に「生きのいい」自分の臓器が手に入るということになる。また、自分で使わなくても、臓器売買ネットワークに売り渡せば大金を手に入れることも不可能ではない。

 また、「物」という扱いではないにしろ、子供が自分の思った通りに育たなかった場合、家庭用ゲーム機で「リセットしてやり直す」感覚で、クローンを育てなおしたいという親が現れるケースも考えられる。

 こうした「クローンに人格はないのか」「人の体を商品化するのか」等の倫理的な問題がある中で、クローン前提の細胞保存ビジネスが立ちあがり始めており、省庁の中にもこの動きを問題視する所が出始めている。ただ、国としてはこの流れを阻止したい考えのようであるが、現時点では取り締まるべき法が無いため、今のところ傍観しているだけというのが現状である。


ホラ猫B談:
 題名をつけた時点からブラックな内容にするつもりだったんですが…、書いているうちに、ひょっとすると本当にこんなビジネスを起こす奴が出てくるかも…と考えて恐くなってしまった。でも、もうアメリカあたりじゃ既にやり始めているんじゃないかなぁ、表に出てこないだけで。


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